【乳がんQ&A】  乳がんリスクの高い摂取物はあるの? | ピンクリボンフェスティバル公式サイト

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【乳がんQ&A】
乳がんリスクの高い摂取物はあるの?

Q. 摂取物について注意が必要な食べ物飲み物やサプリ、薬などはありますか?

A. 食事の摂取物とがんの関連に対して、多くの研究が行われていますが、薬剤の効果と違い、日常生活での摂取物との因果関係を明確にすることは、生活背景や他の因子(運動、他の摂取物、生活習慣や個人の因子など)が複雑に関与しあい、断定することが困難なものが多いのが現状です。

そんな中、特に乳がんにおいてよくご質問を頂くのが、イソフラボンや乳製品との関係です。まず、植物エストロゲンの一種であり、抗エストロゲン作用を持つイソフラボンですが、食事によるイソフラボンの摂取は乳がん患者の予後を改善する可能性がある、というのが今の見解です。複数の試験において、差がない、もしくは再発率を減少、死亡率を減少という結果が認められており、少なくとも有害である、ということはすべての研究において報告されていないため、現状では大豆摂取などのイソフラボンの摂取は推奨してもよい、とされています。
乳製品に関しては、より複雑で、高脂肪乳製品でなければ再発リスクの増加に至らないといった報告や、乳製品摂取により、脳卒中のリスクが低減できるなどの報告もあり、現時点では摂取にあたり問題ないと考えられています。

大切なことは過剰摂取や過度に避けるような摂取の仕方ではなく、バランスのよい摂取を心がける、という点だと考えます。現時点で乳がんのリスク因子と考えられているのは、〈肥満、喫煙、受動喫煙〉、予防因子と考えられているのは、〈運動、授乳、大豆、イソフラボン〉であり、禁煙、適度な飲酒・運動など基本的な生活習慣の改善が重要と考えます。

ピルやサプリメントについては、エストロゲンの量や製剤の種類などによってリスクが増加しないと考えられるもの、また、月経困難症や子宮内膜症などの治療として必要な状況での内服処方中など様々な状況が考えられます。ぜひ、主治医の先生とご相談されることをお勧めします。

≪お答えいただいた専門医≫

増田 紘子先生

昭和大学医学部 乳腺外科 講師

2015年7月より昭和大学乳腺外科で勤務しております、増田紘子と申します。乳がん治療を専門とし、現在の標準治療のみでは治療困難な乳がん患者さんとの出会いの中で、特に創薬(新薬に対する臨床試験立案、施行やtranslational research)に興味を持ち、日々臨床と研究を行っております。患者さん一人一人がその人らしい、日常生活を送れること、がんに対する不安や心配から、必要以上にがんにとらわれてしまうことがないように、一緒に治療を行っていきたいと思い、日々の診療を行っております。

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