聖路加国際病院 乳腺外科部長・ブレストセンター長 山内 英子先生にお話をうかがいました。
Q. 乳がんを予防するために、食生活や運動など日常生活において心がけることはありますか?
A. 乳がんを完全に予防する方法はありません。以下の5つを心がけて、より健康的な生活を送れるように心がけましょう。
1. 1年に「1回」乳がん検診
家族歴のある方や40歳以上の方にはぜひ行っていただきたい項目です。定期的に乳がん検診を受けることは、早期発見につながる二次予防につながります。
2. 1日に「20分」の笑い
笑うことで、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシン、ドーパミン、セロトニンなどの脳内物質が分泌され、ストレスホルモンであるコルチゾールは抑制されます。その結果、免疫力を高めるなどの効果が期待されています。
3. 1日に「30分」の運動
乳がんの発症リスクを高める環境要因の1つとして挙げられているのが「閉経後の肥満」。毎日の運動を習慣化し、体形維持に努めることをおすすめします。運動は、閉経後の女性に多い骨粗しょう症を防ぐ手立てにもなります。
4. お酒は1週間に「4杯」まで
飲酒と乳がんリスクについては、主に欧米の研究内容がこれまで数多く発表されており、「毎日2杯のワインを飲むと、リスクは50%増加する」というデータもあります。適度な量の飲酒を心がけることが大切です。
5. 1日に野菜や果物「5品目」
野菜や果物には、ビタミンや食物繊維が豊富に含まれています。毎日野菜と果物を摂るよう意識することが、バランスのよい食生活につながります。
継続することが何よりの力になります。ぜひこの「イチ・ニ・サン・シ・ゴ」を日常生活に取り入れてみてください。
≪お答えいただいた専門家≫
山内 英子先生
聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長