活動コンセプトの一部改訂について

ピンクリボンフェスティバルでは2021年に新しい活動コンセプトとして「MY PINK ACTION 知ろう、自分と乳がんのこと。」を制定しました。「正しい知識の習得と自分に合った適切な行動を促す」をミッションに掲げ、5つの啓発カテゴリーに合わせて、一人ひとりに合った乳がんの正しい知識の習得、理解を呼びかけてまいりました。

この間、乳がん専門家の間では「自己触診(セルフチェック)」の科学的根拠をめぐる議論がなされ、国もそれまでの普及啓発の発信を見直し、検診行為である「自己触診」に代えて「ブレスト・アウェアネス」(乳房を意識する生活習慣)を提唱するようになりました。

「自己触診(セルフチェック)」から「ブレスト・アウェアネス」へ

【背景】
・従来の自己触診には検診としての死亡率減少の科学的根拠がない1.2)
・米国予防医学専門委員会(U.S. Preventive Service Task Force)も自己触診の推奨を否定3)

ブレスト・アウェアネス
自己触診(セルフチェック)
位置付け
生活習慣
(乳房の普段の状態を知る、変化を知り気をつける)
検診行為
(異常を見つける、しこりを探す、診察・診断する)
学習の視点
知識の習得、生涯にわたる乳房の健康教育
触診手技の習得
継続性・期待される効果など
日常生活の中で取り組める。ヘルスリテラシーの向上に期待
煩雑で習得が難しく、正確性、継続性など実効性に疑問がある

1)VoprOnkol, 45:265-271,1999
2)J Natl Cancer Inst, 94:1445-1457,2002
3)Ann Intern Med, 151:716-726,2009

参考:乳がん検診の適切な情報提供に関する研究(令和2年度厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究事業)

「自己触診(セルフチェック)」から「ブレスト・アウェアネス」へ
こうした動向を踏まえ、ピンクリボンフェスティバルとしても2023年度より「セルフチェック」という言葉は使用を取りやめ、自身の乳房を見たり触ったりすることを「ブレストチェック」と表現し、啓発カテゴリーのひとつ「セルフチェック」についても「ブレスト・アウェアネス」に改訂しました。

2024年度も引き続き、「ブレストチェック」を含む乳房の健康知識全般を習得する「ブレスト・アウェアネス」の普及啓発に注力してまいります。

「自己触診(セルフチェック)」から「ブレスト・アウェアネス」へ
より広い世代の皆様に乳がんに関するリテラシーをお持ちいただけるよう、また、より気軽にご自身の身体に関心を寄せてほしいという想いで【ブレスト・アウェアネス】の普及に尽力してまいります。